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ネイティヴ同士の会話についていけない理由:パート1


ネイティヴと一対一で話している時は大丈夫なのに、ネイティヴ同士の会話にはいるとついていけなくなるという話をよく耳にします。

ネイティヴ同士だとスピードが速くなり、自分が知らない単語や表現を使うなど、理由は色々ありますが、その中でも皆さんあまり気づいていないのでは?と思うのが、「共通の知識の違い」です。その国の文化など、日本と違う部分があり、その知識がないので、話の内容がわからなくなることがあります。

ここでは、日本語の例と、実際にあった英語の会話例をご紹介し、じゃあどうするか?(対策)についてお話します。

日本語を例にしてみると

日本人3人の会話中1人が「こういう時にどこでもドアがあればねぇ〜」と言ったとします。これを聞いた1人は、ドラえもんのどこでもドアを知っているので、何を言いたいかすぐにわかりました。でももう1人がどこでもドアを知らないとすると(例えば私の父)、「どこでもドアって何?」と聞くかもしれません。または、「どこでもドアという物があるんだな」程度で納得して何も言わなければ、そのまま普通に3人での会話が進んで行きます。

このように、同じ日本人でも、趣味や年代の違いなどで共通の知識の違いがあり、知らない事(文化、芸能、時事的など)が会話に出てくることはありますが、「どこでもドア」という知らない物があるということにすぐ気づくと思います。

では、3人のうち、どこでもドアを知らない人が、日本語を勉強中のイギリス人ならどうでしょう? 「こういう時に」もわかる、「どこでも」も知っている、「ドア」もOK、「あればねぇ〜」のニュアンスも伝わってくるという人でも、「どこでもドア」という自分が知らない物があると気づかず、「どこにでもドアがあればいいと言っているのかな?」と思う可能性があります。そして、「どこでもドア」というものがあるんだと気づいたとしても、その時にはすでに会話が進んでいて「どこでもドアって何?」と聞くタイミングではなくなってしまっているかもしれません。

2人で話している時には、話し相手に合わせて話すスピード、単語や表現だけではなく、内容も変えますが、3人以上で話す時は、一人ひとりのことを考えて話すのは難しくなってきます。なので、同じ3人での会話でも、共通の知識が近い人同士の方が話しが通じやすくなる時が出てきます。

実際にあった英語での会話例

ここで、ある日実際にあった会話の流れをメモしたものをご紹介します。知っている事、知らない事を確認してみて下さい。

この会話は、ギターレッスンを終えた友達とそのギターレッスン仲間たちでお茶をしながらの会話の内容(トピック)です。参考までに、メンバーは、イギリス人5人、スペイン人1人と私の7人グループで、年齢は20代半ばから30代 が4人、40代1人、50代2人で、職業も事務、コーポレートロイヤー、建築家、新聞社勤務など様々。

まず、私一人だけギターレッスンを受けていなかったので「今日は何をしたの?」と私が聞くところから始まります。「Everybody’s talking at meをやった」という答えの後の会話のトピックだけを順番に並べると:

Midnight Cowboy、Jon Voight (ジョン・ヴォイト)、Angelina Jolie(アンジェリーナ・ジョリー)、フェミニズムについて、1984(本のタイトル)、George Orwell(ジョージ・オーウェル)、Room 101、 今A&VでやっているExhibitionsについて、Blackstar、 David Bowie(デイビッド・ボウイ)、新聞社勤務の人が先日Sting(スティング)のインタビューをした時の話、コーポレートロイヤーが先日あつかった人種差別のケースについて、N-word、Donald Trump(ドナルド・トランプ)


いかがですか?難しい話題ではないのですが、フェミニズムとドナルド・トランプ以外、イギリスではよく知られていて、日本ではそこまで有名ではない事や人の話が多く出てきた場合、話についていくのは大変だと思います。

この会話は、ギターレッスンでやった’Everybody’s talking (at me)’という曲が、映画「真夜中のカウボーイの主題歌ということもあり、映画や本のタイトル、俳優、作家、歌手の名前がいくつか出てきてます。映画や本のタイトルは日本語と英語で違う場合がありますし、人名が名前だと気づかない場合、チンプンカンプンになると思います。

また、A&VなどでやっているExhibitionsのタイトルなども、固有名詞や映画のタイトルのように、知らなければピンとこないかもしれません。また、日本ではF-wordはわりと知られていますが、N-wordはあまり知られていないと思います。

じゃあ、どうするか?(対策)

文化的な事や有名人などは、英語力とは関係ない事ですし、辞書や英単語の本などにはあまり載っていないので、知識を得たい場合、別の方法で情報を得る必要があります。

ただ、その前に、理解出来なくても気にしなくてもいい事が沢山ある事に気づきけるようにするというのも重要だと思います。日本語でどこでもドアを知らなくて話についていけなかったとしても、「どうしよう?」とか、「もっと勉強をしなければ」と思わないので、英語の会話でも、知らない事を言っていると気づけば、少し気が楽になるはずです。

具体的にできる事は3つあります:

1. 総合的な英語力を伸ばす

日本語なら自分が知らない事を話していることがすぐにわかるのは、知っている単語や表現が細かいところまですべて聞き取れていて、知らない部分以外の意味がしっかりわかっているからです。英語も、細かいところまで理解出来ていれば、知らない単語や話題の部分が浮き出てきますので、冷静に対応出来ます。

レッスン内でカバーする、Weak form、リズム、Connected Speech、Phrasal verbsを定着させ、さらに、普段から音読をしたり、ドラマ、ドキュメンタリー、トークショーなどのメディアを使って、自然な英語を沢山耳にしていくことも重要です。それによって、音としての英語と音のパターンに慣れ、音ベース(耳)の理解力を、文字ベース(目)の理解力においつかせましょう。

2. 浅くていいので知識を増やす

興味がないことでも、「名前は聞いたことがあるなぁ」程度のものを増やすことで、大きな違いが出ると思います。例えば下記の事をしてみてください:

地下鉄の駅やバス停などの広告を利用する

例えば、上記の会話例のグループの人達も、今やっているExhibitionsの内容は詳しくは知らなくても、地下鉄の駅のポスターで見かけたり、新聞の広告で見かけたりなどで、「そういうのをやってるらしいね」程度には全員知っていました。地下鉄のポスターは、今やっているExhibitionsや映画、ミュージカル、有名歌手・バンドの新譜などを得るには便利です。


トークショーなどを見る

TV(YouTubeでも見れる)のトークショーは、今話題のドラマや映画、本、舞台や音楽に関係したゲストが出てきて、色々な話をすることが多いので、人の名前や映画のタイトルなども音で聞けますので、地下鉄のポスターや新聞など、目だけで得る知識よりも聞いた時にピンときやすくなります。イギリスだけではなく、アメリカのトークショーも参考になります。そして、YouTubeやiPlayerなどを使えば同じものを何度も見れて、聞き逃したことを確認するのにも便利です。

新聞の日曜版に目をとおす

Social Mediaでニュースをチェックするのもいいと思いますが、新聞、特に日曜版は、時事的なことから、スポーツ、今話題の映画や本、TV欄、芸能欄、家の売買の情報、ガーデニングなどなどあらゆることが載っていますし、写真もありますので、サラッと目を通すだけでも、なんとなく聞いたことや見たことがあることが増えると思います。

テレビ欄(新聞ではないですがNetflixのお勧めドラマなどの画面も)をサラッと見ると、自分は興味がなくても、タイトルだけは聞いたことがあるというものが増え、そのタイトルが会話に出てきたら、テレビ などの話をしていると分かるようになります。

このウェブサイトのブログも役立ちます

このウェブサイトの英語版ブログの内容も、例えば、コックニーのスラングを知っている必要はないですし、自分で家を買うことがなければ、家の売買などについて知らなくてもいいのですが、サラッと目を通して、頭のどこかに少しでも残っていれば、会話に出てきた時に、何の話しをしているかに気づきやすくなるかもしません。


日本語の場合、自分が食べなくても有名なお菓子の名前は知っていたり、ドラえもんの大ファンではなくてもどこでもドアを知っていたりします。英語も自分にはあまり関係なくても、聞いたことがる事を少しずつ増やしていってください。


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