先日、「イギリス人は疲れた時に、’I'm tired' とは言わないのですか?」と言うご質問をいただきました。
「言いますが、いつもそう言うわけではないです。」とお答えしたら、その生徒さんに「日本でそう習ったし、日本人はみんな、’I'm tired' と言いますよね? でも、イギリス人はそう言っている時の方が少ないと思うんです。なのに、どうして 'I'm tired' と習うんですか?」という疑問が湧いたようです。
その理由は、それが一番一般的だからだと思います。日本人は疲れた時に、いつも「疲れた」と言うわけではなく、疲れ度が高い時は「ヘトヘト」「クタクタ」などの言い方もしますし、場合によっては「もうダメ」などと言う事もありますが、イギリス人で日本語を勉強している人に、「’I'm tired'は日本語ではどう言うの?」と聞かれたら、ほとんどの人が「疲れた」と答えるのではないかと思います。それは、「疲れた」が一般的で無難(インフォーマル・フォーマルのどちらで使ってもおかしくない)だからではないでしょうか?
どの言語にも、同じ状態にいくつかの表現があると思いますが、外国語として一番初めに習うのは、普通、一般的で無難な(フォーマル・インフォーマルの両方で使っておかしくない)単語です。これは、まず一般的な単語を一通り覚える事で、出来るだけ早い時期に、どんな場面でも色々な事を表現出来るようにする為です。
でも、もちろんネイティヴの方が断然表現力があり、いつも同じ表現を使わない為、日本人がほぼ毎回 'I'm tired' と言っているのに比べ、ネイティヴが 'I'm tired' と口にする確率が低くなるので、「イギリス人は疲れた時に、’I'm tired'と言わないのですか?」という生徒さんの疑問が浮かんだのだと思います。
では、イギリス人はつかれた時、’I'm tired’ 以外に何と言うのでしょう?
すぐに思いつくのは:
I’m exhausted.
I'm worn out.
I'm knackered.
I'm shattered. などです。
スラングで、I'm cream crackered. というのも思い出しました。これらはどれも、’I'm tired' より、疲れ度が高い時に使われますが、’I'm tired'でも、言い方によっては、すごく疲れた様にも聞こえます。
’I'm knackered' や ’I'm shattered' は、発音・リズム・イントネーションが正しくないと、あまり疲れた様には聞こえないので、慣れるまでは、自分で言う時には、’I'm very tired' など無難な表現を使い、他の表現はイギリス人がその他の表現を使った時に、意味が分かるという程度で良いと思います。イギリス人が使うのを何度も聞いて、どういう時にどういう言い方で使うかなどのイメージがしっかりつかめたら、自分でも使ってみてはいかがでしょう?
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