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英語のパターンを身につける 

音読で気をつける事のページにも書きましたが、日本語にも、こういう場面ではこう言うという決り文句的パターンや、「いっぽん、にほん、さんぼん・・・」のように、理由はわからないけどそういうものという決まったパターンが沢山あります。

 

英語にも英語独特のパターンがありますので、パターンを覚えて使わないと、日本語を英語に訳しても役に立たない部分が出てきます。

英語のパターンを身につけるには、正しい英語に沢山触れるというのが一番です。テレビ・ラジオ・映画・本・雑誌・新聞・ウェブサイトなどで、できるだけ多く自然な英語の表現やパターンに触れることで、自分が使わない表現でも聞けば意味はわかるようになり、同じ表現に何度も出くわすと、自分でも使おうかな?という気になると思います。

 

しっかり身についたパターンは、それを聞いたり読んだりした時、意味が素早く理解できるようになりますし、考えなくてもサラッと口から出るようになりますので、会話がスムーズに進みます。英語の表現やパターンが増えることが会話(リスニングとスピーキング)の上達につながるのです。

 

リスニング(理解)力について

 

日本語で食事前に言う「いただきます」という表現が英語にはないように、英語にはあって日本語にはない、または、同じような言い方をしないものが沢山あります。このような表現は、いくら聞きとれて一つ一つの単語の意味を知っていても、意味がピンとこないという場合がでてきます。

 

例えば、私がOxford StreetにあるJohn Lewisのカフェでレッスンをしていた時、生徒さんが、「(カフェの)レジの人と楽しそうに何を話してたんですか?」とおっしゃったので、large latteを頼んだ時、私が罪悪感をかもし出したら、‘I don’t blame you’と言ってくれたと説明しました。

 

その生徒さんは、どうしてそこで、「私はあなたを非難しません」という文章が出てくるのかがわからないので、もし自分がそう言われたら、聞き間違えたのかな?と思ってしまうだろうとおっしゃっていました。

 

「私はあなたを非難しません」と直訳すると不思議な文章ですが、‘I don’t blame you’は私が使っている辞書(Longman Dictionary of Contemporary English)には: used to say that you think it was right or reasonable for someone to do what they didとあります。

 

口語的に訳すと「それで良いんじゃない」、「その気持わかる」などとなると思います。

 

私がLarge Latteを頼んで罪悪感を感じている理由が何であれ「朝一で眠気覚ましのためなら、それで良いんじゃない(その気持わかる)」と感じて言ってくれたのだと思います。そして、私がLarge Latteを飲む罪悪感を示したのは、フレンドリーに接するための愛想的な目的で、相手もそれをわかって、この場合に使える英語のパターンのI don’t blame you をさらっと言うことでお互い納得し、それに対して何か言う必要もなく「そうですね」を表す笑顔で会話終了。という具合です。

 

これは、挨拶ていどの軽い会話ですので、例えば、ご近所の人とすれ違いざまに、「今日は肌寒いですね」と言われたら、自分は特にそうは感じていなくても「そろそろマフラーが必要ですね」のように答えるたりするのに近い感じだと思います。この場合も、お互いに「そうですね」とにっこりしてそのまますれちがって歩いていく。上記のカフェのレジでの会話も、そんな感じの軽い会話でした。

 

もちろん、「家出したの」の反応にI don’t blame you.を使うのであれば、「理由はよくわかるし、私でもそうしていたと思うよ。I don’t blame you」などとなり、本当に慰めている感じになりますので、「私はあなたを非難しません」と訳しても意味が通じると思います。

 

このように、簡単な文章で単語の意味がすべてわかっていても、どのような会話パターンで使われるかを知っておかないと、全く話が通じないというものは沢山あります。

 

 

スピーキング力について

 

日本語と英語でパターンが違うという状況では 、言いたい日本語をいくら上手く英語に訳しても、相手に 伝わらなかったり、英語にはない表現やパターンの場合、訳すことが無理(無駄)な場合もあります。

 

このため、会話力を伸ばすには、自分が言いたい日本語を英語で言う練習より、英語で言えることを増やす練習が役立ちます。

 

私が日本で英会話スクールの講師をしていた頃の話ですが、同僚のモニカというネイティヴの先生のクラスに移ってもいいのでは?と思う生徒さんをモニカ紹介しました。その生徒さん、英語力は十分あるのに、モニカが ‘Hello’と言った瞬間、かたまってしまい、ほとんど何も言わないままで会話が終わってしまいました。

 

後でその生徒さんに聞いてみると、「よろしくお願いします」を英語で何というのかを考えているうちに 会話が終わってしまったとのことでした。日本語のパターンを使って英語で話そうとしてしまった典型的な例です。

 

この生徒さんは英語力はありましたので、英語での初対面の人との会話パターンは知っていました。緊張なさっていたのだとは思いますが、自分の言いたい日本語の訳にこだわらず、英語のパターンを使っていれば、話がスムーズに進んだはずです。そして、話がスムーズに進んでいれば、後で私がモニカに、「彼は英語力は十分あるけれど、英語にはないことを英語で言おうとしてかたまっただけだから、あなたのクラスでも十分大丈夫だと私が保証するから」と説得する必要なしで、すんなりモニカのクラスに移れたと思います。

 

また、日本では、Thank you. と言われたら、You’re welcome.というパターンを教わりますが、友達同士の場合、Thank you.と言われたら、No worries.などもう少し会話的な反応のパターンが一般的です。 You’re welcome.は日本語でいうと「どういたしまして」、No worries.は「全然いいよ」のような感じです。このように、同じことを言われても場面や状況によって違うパターンを使わないと不自然な場合もあります。ネイティヴのパターンを盗んで、ワンパターンからぜひ脱出してください(ちなみに、ワンパターンは和製英語です)。

 

日本ではよく使う、「季節の変わり目は風邪をひきやすい」というのも、国によって気候が違うこともあってか、英語にはその感覚はないようです。ですから、これをいくら上手く英語に訳しても、相手はピンとこないかもしれません。他にも例は数え切れないくらいあります。

 

もちろん、自分が言いたいことを言わずに我慢する必要はありませんが、「よろしくおねがいします」や「季節の変わり目は・・・」のように、決り文句のようになっているものは、英語でなんというか?と考える前に、その日本語を言いたいと思った目的は何か?を先に考えてみてください。決り文句的な挨拶が目的なら、英語のパターンを使うべきだと思います。

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